共同研究者が来た

スタンフォードの共同研究者が来日。セミナーの前に一時間半ほど研究の打合わせを行った。こちらのほうは全然進んでいないので肩身が狭い。セミナーを聞いて、そのあまりのレベルの高さに圧倒されて言葉を失った。ボス2が「アナタ、彼らの役に何か立てそう?」と言い残して去った。何か意図のある静観、というスタンスが気になる。自分だって本当はCONTRIBUTEできるものならしたいんだけど力不足。
夜、近くの居酒屋で会食。ボスが、縄文時代の古人骨があるからDNA採取できるよと。ざっと計算して200世代ほど遡ることになるな。これは遺伝子進化を考えるのに大変貴重な試料だ。進化となると、世界の民族集団間で遺伝子の変異(より正確に言えば多型)を調べて頻度を比べるとか、あるいはチンパンジーゲノムと比較するのが主流だけど、あるpopulation内で、先祖とその子孫である現代人との比較がダイレクトに出来るというのは興味深い。類人猿と分岐したのはかなり古い時代になってしまうからなぁ。古人骨からの採取できるDNAは僅かで、本来は大腿骨の髄に血球が沢山存在するはずなんだけれども、多くの場合、すき間からバクテリアが入ってしまって中身がスカスカなんですってよ。一方、エナメル質によって守られている歯髄からはDNAが取りやすいらしい。ただし歯の形態学を研究をしている学者さんていうのもいるから、彼らにとっては大切な歯を壊すなんてご法度。「絶対ダメです!」って断られてしまうらしい。そりゃそうだな。