抄読会(PADI4)

Cellの論文。

ヒストンのメチル化と、(PADI4による)脱イミノ化が遺伝子の転写を制御しているっちゅう話。

この分子の名前を知ったのは、理研がNat.GenにRAのゲノムワイド関連解析の論文を発表したのがきっかけ。
404 Not Found | 理化学研究所
http://www.bioscience.org/2005/v10/af/1506/figures.htm



最近、ヒストン関連の論文があると気になる。

以下、コスモバイオのサイトから抜粋。(リンクだけ貼っておくと、一年もするとリンク切れになっていることがしばしばなのでここに文章貼っておきます。リンクの便利さに安住して油断しているといざというときに困る。)

                      • -

真核生物の染色体DNAは8量体のヒストンタンパクをコアとして、その周りに約150bpのDNAが巻き付いているヌクレオソーム構造、そしてそのヌクレオソームがヒストンH1を介して複合体となりさらに凝縮したクロマチン構造を形成しています。クロマチンを形成しているタンパク質のほとんどはヒストンで、ヒストンにはH1、H2AH2B、H3、H4の5種があります。この生物種間で高度に保存されたタンパク質であるヒストンは、クロマチンの機能の中心的な役割を果たしていると考えられています。ヒストンの修飾にはアセチル化、リン酸化、メチル化などが知られており、これらは、転写、DNA複製、有糸分裂、DNA修復などを引き起こすためのクロマチン構造を変化させる、エピジェネティックな修飾であると言われています。また、DNAのメチル化とヒストンの修飾が密接に関連していることが近年報告されています。

ヒストンのリン酸化部位のうち、ヒストンH3のセリン10は全ての種において有糸分裂に密接に関与しており、染色体の正しいコイリングや分離に必要であるように思われます。そのため抗リン酸化ヒストンH3(Ser 10)抗体を用いて細胞を染色することは、有糸分裂の特異的なマーカーとなります。小規模でセリン10のリン酸化は、最初期の遺伝子発現制御に関与していると言えます。特異的な遺伝子におけるヒストンH3のリン酸化の程度は抗リン酸化ヒストンH3抗体を使用したクロマチン免疫沈降法(ChIPs)で調べることができます。

クロマチンヒストンのアセチル化は転写活性化の局在化に深く関わっており、転写コアクチベーターのような多くのタンパク質がヒストンアセチル基転移酵素であり、また、多くの転写コリプレッサーがヒストン脱アセチル化酵素と結合しています。アセチル化ヒストン特異的抗体は、免疫蛍光ラベリング法による核内のヒストンアセチル化の評価や、クロマチン免疫沈降法による遺伝子及びプロモーターの局在化の評価に非常に役に立ちます。修飾を受けたヒストンを含むクロマチンの選択的免疫沈降であるクロマチン免疫沈降法は、免疫沈降分画の特異的DNA塩基配列を調べた後に行います。ヒストンのアセチル化は、急性前骨髄球性白血病の発症のメカニズムに関与していることから臨床的な意味でも注目されています。これはクロマチンの構造的な変化が、多くの病気の中心的な役割をしていることを示しています。